今日1月17日は、阪神・淡路大震災から13年目となる。震災が起きた1995年は、インターネットが一般層へと広がり始めた年でもある。その前年に創刊されていたインターネットマガジンでも、震災のなかでインターネットがどう活用されたのかを取材し伝えてきた。
また、震災を機に新しい情報通信設備の実現をめざした人々の姿を追ってきた。
以下に、その当時の状況を伝えたレポートやその後の震災地での取り組み、被災者情報登録検索システムについて扱った4つの記事を紹介する。
- 大規模災害とインターネット―阪神大震災にインターネットはどう対応したのか(1995年4月号)
- 大規模災害とインターネット第2回―残された課題と今後のインターネット活動(1995年6月号)
- 2005年へ光る道―復興の街・神戸に届けられた“未来”(1998年10月号)
- ライフラインとしてのインターネット(2005年4月号)
13年が経った今では、緊急地震速報がテレビやラジオ、そして国民の多くが所持するケータイに向けて配信されるようになるなど、ITによる災害対策も整えられつつある。
被災者情報登録検索システム「IAA Alliance」(2007年4月をもって解散)は、「新潟県中越地震」や「スマトラ沖大地震・インド洋津波」、「ロンドン同時多発テロ」でもといった災害や事件で利用されてきた。しかし一方で、限界もあったと解散のメッセージで述べられている。
……IAA Allianceでは、これら多様なシステム間での相互運用を行うための問題解決に向けた活動を行ってきましたが、開発運用者を中心とした活動だけでは、その限界がありました。社会システムの一部として災害時の安否情報確認システムの利用を考えるとき、開発運用者とともに利用者の間とも密に情報交換を行うことが必要であり、新たな安否情報確認システムの活用方法についても積極的に検討する必要があるとの考えから、IAA Allinaceとしての活動は一旦解散し、新たな活動形態を模索すべきとの結論に至ったものです。……
「IAA Alliance 解散のお知らせ」(http://www.iaa-alliance.net/)より
緊急地震速報に限らず、今後もさまざまな手段やシステムが考え出されていくと思われるが、こういったものは事前に認知されていないと、いざというときには本当の力を発揮できない。
どんなにすぐれたシステムも、ユーザーがいて初めて活かされる。こう考えると、新たなシステムを認知させるよりも、現在すでに多くのユーザーがいるシステム/サービスを活かすというのも手だろう。たとえば、mixiやモバゲータウンは、ケータイにも対応しており、いざというときの緊急連絡や被災者情報のやり取りに活用できるかもしれない。Twitterなどもある程度は生存確認にはなるだろう。
ネットサービスの開発や設計に関わっている方は、ぜひ、そういった応用についても検討していただきたい。まだまだ、インターネットでできることには可能性があるはずだ。