最新刊「インターネット白書2022」
デジタルツイン実現への道

デジタルテクノロジーによって人と人をつなぎ、社会や経済に影響を及ぼし続けるインターネット。2022年版は、 サイバーフィジカルな都市を実現するデジタルツイン活用の動きをはじめ、NFT、メタバース、Web3.0、成層圏や宇宙のインターネット、5G SA、グリーン化、デジタル改革の制度面まで、テクノロジーと社会課題がクロスする実験場としてのインターネット、その最前線一挙に解説。

巻頭言「加速するリアル空間とサイバー空間の連動」

後藤 滋樹●一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)理事長



10大キーワードで読む2022年のインターネット



01 NFT
02 XR/メタバース
03 デジタルツイン
04 オンライン診療
05 改正プロバイダ責任制限法
06 フェイクニュース
07 デジタル社会形成基本法
08 DFFT
09 宇宙インターネット
10 グリーン by デジタル

(執筆協力/仲里 淳)

10大キーワードで読む2022年のインターネット



第1部 テクノロジーとプラットフォーム

1-1 アプリケーションと開発

都市のデジタルツインを切り開く位置情報技術
片岡 義明●フリーランスライター
サイバー空間上に地形や建物の3Dモデルを再現し、解析やシミュレーションを行うデジタルツインの活用事例が増えつつある。官民の取り組みや、そこで使われている位置情報技術を概観する。

メタバースはインターネット次章となるか
遠竹 智寿子●フリーランスライター/インプレス・サステナブルラボ研究員
フェイスブックが「メタ」と社名を変えたことで浸透が加速した「メタバース」。メタバースとは、何なのか。IT企業にとどまらない各社での取り組みや今後の可能性を考察する。

NFTのビジネスと課題
澤 紫臣●アマツ株式会社 取締役
2021年のインターネットニュースをにぎわせた「NFT」。ビジネスやマネー分野で持ち上げられることが多いこのキーワードについて、トレンドとともに実態と将来への課題を浮き彫りにする。

Web3.0が切り拓くインターネットの次世代モデル
鈴木 雄大●Fracton Ventures株式会社
オーナーシップエコノミーを実現するプロトコルとして期待がかかるWeb3.0。インターネットにおけるデータの主権を持ち主に取り戻すというコンセプトの下、新しいウェブの創成を目指す。

人間の代役を果たすデジタルヒューマン
清水 計宏●清水メディア戦略研究所
AIの進化により人間の代役を果たすデジタルヒューマン。娯楽・ファッションなど商業分野だけでなく、デジタルヘルス、遠隔医療でも活用。メタバースやNFTと結びついてさらなる市場の拡大が期待される。

CES 2022にみるデジタルトレンド
清水 計宏●清水メディア戦略研究所
オンラインとの併催となったCES 2022。宇宙技術、ロボット、EV、デジタルヘルス、メタバース、XRなどが高い関心を集めた。現実を拡張し地球と社会を再構築するイノベーションの祭典になりつつある。

1-2 クラウドとスマートシティ

スマートシティとスーパーシティの動向
杉山 恒司●株式会社ウフル CDTO(Chief Data Trading Officer)
世界的な新型コロナの拡大による影響が、スマートシティのあり方にも変化を生じさせている。我が国が推進するデジタル田園都市国家構想も踏まえたまちづくりには、主役である住民の意思が欠かせない。

クラウドの市場動向とエッジコンピューティング
林 雅之●国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM) 客員研究員/NTTコミュニケーションズ株式会社
ハイブリッド/マルチクラウドの動きが浸透し、コロナ禍後は企業の採用が加速。企業変革のデジタル基盤として成長する市場の中で、次の注目は分散クラウドと5G SAの活用。

都市のデジタルツインを切り開く位置情報技術



第2部 デジタルエコノミーとビジネストレンド

2-1 Eコマースと金融

Eコマース市場の動向
田中 秀樹●株式会社富士通フューチャースタディーズ・センター 業務部門 部長
Eコマース市場はコロナ禍の影響で物販が前年比2割増、大手プラットフォーマーのシェアは7割に。大手小売は物流強化やデジタルシフトで追随し、中小企業もインスタントECでデジタルシフトに取り組む。

決済プラットフォームの動向
多田羅 政和●電子決済研究所 代表取締役社長/電子決済マガジン編集長
PayPayを筆頭にコード決済サービスが勢いを増し、カードレス化の流れも引き続き加速。事業者が代金未回収リスクに対応できる「後払い」は新たな展開に入った。決済手数料を巡り銀行側の対応にも変化が。

シェアリングエコノミーの動向とエコシステム化への課題
白石 隼人●Ridgelinez株式会社 ディレクター
成長著しいシェアリングエコノミーとそのエコシステムの出現。ワーカーが安心して働ける仕組みを業界全体で提供しつつ、SDGsに貢献するなど、その魅力を十分に引き出せるようにすることが重要となる。

2021年の暗号資産の動向
岩下 直行●京都大学公共政策大学院 教授
DeFiの拡大とテザーの増発により2021年の暗号資産は引き続き高騰。コロナ禍を受けて世界的に進む金融緩和が相場を後押ししている。今後は金融環境の変化、資金洗浄対策、莫大な電力消費などが課題となる。

2-2 デジタルコンテンツとメディア

2021年のテレビとインターネット動画配信の動向
倉又 俊夫●日本放送協会 人事局 チーフ・プロデューサー
東京五輪ではNHK・民放ともネットによる競技の配信に力を入れた。地上波放送の同時配信も、ようやく民放も本格サービスにこぎつけられそうだが、各種ストリーミングサービスの躍進で競争も激化している。

音楽配信サービスの動向
荒川 祐二●株式会社NexTone 代表取締役 COO
世界の音楽市場が成長を続ける中、日本は大きく落ち込む。コロナ禍でデジタルシフトが進み、サブスクサービスは着実に成長。またプラットフォーマーのあり方や収益分配に関して多様な議論が生まれている

コロナ後のオンラインゲーム市場はどう変化するか
澤 紫臣●アマツ株式会社 取締役
国内市場が足踏みを続ける中、NFTゲームの登場やメタバースブームの再燃は市場の成長に寄与するのか。プラットフォームや海外における規制の影響はどの程度か。広い視野でのサービス提供が求められる。

国内インターネット広告市場の動向
齊藤 昌幸●みずほ銀行 産業調査部 調査役
強まる広告トラッキング規制とコロナ禍で変容する消費者行動。Cookieなどによるユーザー行動の把握に規制がかかるなか、「リテールメディア」と「メタバース」を活用したマーケティングが注目される。

ポストコロナにおけるデジタル消費行動とコミュニケーション
高木 史朗●ニールセン デジタル株式会社 シニアアナリスト
コヴァリョヴァ・ソフィヤ●ニールセン デジタル株式会社 シニアアナリスト
COVID-19の影響によりデジタル視聴行動の多様化は加速している。企業は、ターゲットとなる消費者の行動をしっかりと把握し、最適なコミュニケーションを考え、柔軟な戦略をとることが重要となる。

2-3 通信サービス

国内モバイルキャリアのビジネス動向
天野 浩徳●株式会社MCA 通信アナリスト
政府主導による値下げ圧力の影響で、携帯各社の利益は減少傾向、法人や非通信領域の強化で反転攻勢目指す。5Gは2022年度からはエリア整備も進み、「真の5G」であるSAの商用化で新たな5G時代が始動。


第3部 インターネットと社会制度

3-1 法律と政策

インターネット関連法律の全体動向
岡村 久道●弁護士/京都大学大学院 医学研究科 講師
電子帳簿保存法、プロバイダ責任制限法、特許法等、著作権法、ストーカー規制法、航空法等が改正され、取引DPF利用者の保護法が成立。「デジタル敗戦」事態を挽回すべく一連のデジタル改革関連法が成立した

デジタル改革関連法の成立と改革の今後
山田 肇●東洋大学 名誉教授
デジタル改革関連法が成立しデジタル庁が発足して、我が国はDXに動きだした。しかし、強固なアナログ原則など積み残した課題もある

「改正プロバイダ責任制限法」の概要
北澤 一樹●弁護士/英知法律事務所
発信者の権利の確保と迅速で円滑な被害者救済のための法改正。1回の手続きで発信者を特定できる非訟手続き制度を創設し、ログイン等情報を開示対象に加えた。2022年の施行を前にまだ議論が続いている。

「令和3年改正個人情報保護法」の概要
北澤 一樹●弁護士/英知法律事務所
「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」の成立に伴い、個人情報保護法も改正。越境データ流通の円滑化と官民や地域の枠を超えたデータ利活用の活発化を図る。

デジタルプラットフォーム規制の動向
寺田 眞治●一般財団法人日本情報経済社会推進協会 主席研究員
総合的な方向が見えてきたデジタルプラットフォーム規制だが、制度設計には慎重を要する。公正な市場競争や利用者保護という観点にとどまらず、国によっては政府による統制が強まり、分断を進める恐れも。

3-2 市民・行政サービス

デジタルガバメントのデータ流通基盤動向
庄司 昌彦●武蔵大学 社会学部 教授
「デジタル敗戦」を乗り越え、データの効果的な活用に向けた施策が加速し、改革の機運が本格化。自治体にはオープンデータの整備にとどまらず、データ流通に基づいた社会改革の具体策が求められている。

GIGAスクール構想元年の学校の現状と教育DXの動き
関島 章江●株式会社電通国際情報サービス Xイノベーション本部 オープンイノベーションラボ
2021年4月、GIGAスクール構想は全国の学校で本格的な利活用をスタートさせた。教育現場の現状とその先の教育DXを目指すデジタル庁の動きに注目する。

オンライン診療の現状と課題、展望
宮下 啓子●株式会社情報通信総合研究所
COVID-19感染拡大に伴う規制緩和でオンライン診療が身近なものとなった。診療報酬の問題が残るものの、多様な利用シーンを通じてウィズコロナ時代の新しい医療のあり方を模索する動きが生まれている。

災害関連情報とインターネット
佐藤 大●情報支援レスキュー隊(IT DART)代表理事/東北医科薬科大学病院
災害に関する情報には、原因に関するものと被害に関するものという大きく2つの視点がある。サイト間の情報共有や集約、見せ方の改善も進んできた。事前に把握しておきたい災害関連情報サービスをまとめる。

コロナ後のテレワークの展望と課題
大内 伸哉●神戸大学 大学院法学研究科 教授
雇用システムの変革とDXを進める日本企業にとって、テレワークは向き合うべき必須課題。「つながらない権利」の保障など最新の議論やデジタル手法に学び、障壁をなくす努力が求められている。


第4部 サイバーセキュリティとインターネットガバナンス

4-1 サイバーセキュリティ

分断、透明性、コロナ、そして情報工作:「症状」としてのフェイクニュース
平 和博●桜美林大学 教授
米国連邦議会議事堂乱入事件に始まり、プラットフォームの透明性への疑念、新型コロナの「インフォデミック」、情報工作の広がり。社会病理が投影された「症状」としてのフェイクニュース氾濫が鮮明になった。

2021年の情報セキュリティ動向
土居 毅彦●一般社団法人JPCERTコーディネーションセンター 早期警戒グループ 脅威アナリスト
東京オリンピック・パラリンピックは、目立ったサイバー攻撃もなく平穏に開催された。一方で、Emotetのテイクダウンと活動再開、国内外で社会インフラを狙う深刻なランサムウエア攻撃が確認された。

フィッシング詐欺被害の現状と対策
加藤 孝浩●フィッシング対策協議会 運営委員委員長
フィッシング詐欺の報告件数が前年の2倍以上に急増した2021年。悪用されるブランド数も増加しており、すべての業種で対策が必要となっている。

海外プライバシー規制の動向
寺田 眞治●一般財団法人日本情報経済社会推進協会 主席研究員
柊 紫央璃●一般財団法人日本情報経済社会推進協会 客員研究員
中国でついに個人情報保護法が施行。越境移転に関する規定は日本企業への影響が大きい。プライバシー保護の環境と制度が世界的に整う中、日本発のデータ流通はDFFTで攻勢に転じるか。

4-2 トラフィックと通信インフラ

5G/Beyond 5Gをめぐる周波数政策の動向
飯塚 留美●一般財団法人マルチメディア振興センター ICTリサーチ&コンサルティング部 シニア・リサーチディレクター
5Gはミッドバンドの利用がローカル5G含めて進むも、ミリ波の割り当てや利用は限定的。無線LANは世界的に6GHz帯へ帯域を拡大。6Gは2028年頃の商用化に向け研究開発競争が進展。

空のインフラ──成層圏と低軌道衛星インターネットの動向
湧川 隆次●慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授
小型衛星の技術革新と低軌道衛星の発展がインターネットサービスの未普及地域や災害時に不可欠。成層圏を飛ぶHAPSをはじめ、空のインフラへの挑戦は続く。

インターネットトラフィックの動向
長 健二朗●株式会社IIJ イノベーションインスティテュート
福田 健介●国立情報学研究所
コロナ禍によって平日昼間のブロードバンドトラフィックの増加した前年に続き、2021年も全体的にトラフィックが増えているものの、長期的に見た増加率は一定の範囲に収まっている。

国内データセンターサービスの動向
三柳 英樹●株式会社インプレス
旺盛なクラウド需要を背景に、ハイパースケール向けデータセンターの建設が相次ぐ。国内データセンター事業者の協業・事業譲渡など業界再編に向けた動きも進む

グリーンな社会インフラのためのサイバーファースト戦略
江崎 浩●東京大学工学部教授
脱炭素を目指す持続可能な都市づくり。その新しい社会インフラを開く鍵は“インターネット遺伝子”がもたらすサイバーファーストへの変革。データセンター改革を突破口に、新しい取り組みが始まっている。

4-3 インターネット基盤

ドメイン名の動向
横井 裕一●株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 広報宣伝室
全世界のドメイン名登録数は、2021年第3四半期末で約3億6460万件となった。新gTLDでは登録数の大幅な増減が見られるほか、gTLD新設の次回募集に向けた動きが進む。

IPアドレス利用の動向
角倉 教義●一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC) IP事業部・インターネット推進部
IPv4アドレスは需要が継続する一方で、調達コストの増加が一層進んでいる。IPv6アドレスはインターネット接続サービスにおける対応が引き続き進み、IPv6シングルスタック導入を進める企業もある。

DNSの動向
森下 泰宏●株式会社日本レジストリサービス(JPRS) 広報宣伝室技術広報担当
複数の大手サービス事業者において、DNSの運用ミスに起因する大規模な障害が発生した。Webサービスとの連携の強化や利用者のプライバシー保護を目的とした、新たな技術の導入が図られている

インターネットガバナンスの動向
前村 昌紀●一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC) インターネット推進部部長
現実世界とは異なる新しい問題に対処し、合意を形成することがインターネット運営の本質。WHOISの次世代化やDNS Abuseの議論、IPアドレスの不正利用、IGFまで、この1年の動きからインターネットガバナンスを理解する。


第5部 インターネット関連資料

5-1 国内インターネット普及資料

5-2 デジタルコンテンツ資料

5-3 IoTその他資料

5-4 世界のインターネット普及資料

付録 インターネットの主な出来事 2020.11→2021.12


インターネットの主な出来事 2020.11→2021.12

「インターネット白書」について

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