編集部
日本のインターネット歴史年表 1994年 << 年表TOP >> 1996年
インターネットカフェが誰でも気軽に体験できるスポットとして全国各地にオープン。
朝日新聞社がニュース情報の提供サービス「アサヒ・コム」をスタート。
当時、電子商取引の普及に不可欠とされた電子マネーの1つがデジキャッシュ社のecash。初めはICカードを開発、ecashはその機能をパソコンだけで実現しようとした。
マイクロソフトの新OS、Windows 95の発売には行列ができた。ここからインターネットへの接続機能が標準で装備されるようになった。
坂本龍一氏の武道館でのコンサートが通信衛星経由でインターネットに流された。
コンサートの配信に使用された通信衛星用パラボラアンテナ。

1月
業界動向
- NRIがJTBなど11社を集めてサイバービジネスパークというEビジネスの実験を開始
製品・サービス・技術
- ASAHIネットがインターネット接続サービスを開始
社会・事件
- インターネットが阪神大震災で安否確認に利用される
2月
製品・サービス・技術
- 米国パソコン通信サービス(Compuserve、AOL、Prodigy)がインターネット接続サービスを開始
- IBM Japan、「IBM Global Network(IBMインターネット接続サービス)」開始
- NEC、インターネット接続サービス「mesh」開始
3月
業界動向
- WWWが、NSFNet上のパケット総数ではFTPデータを超えて最大のトラフィックを占めるサービスになる。NSFNetは現在のインターネットの母体となったネットワークの1つで、全米科学財団(NSF)の出資で作られた学術ネットワーク
製品・サービス・技術
- 米Netscape Communications、日本語対応ブラウザー「Netscape Navigator 1.1」公開
- ソニー・ミュージックエンターテインメント(SME)、ウェブサイト「BIGTOP」を開設
4月
業界動向
- 米Yahoo!が法人化
製品・サービス・技術
- ウェブサーバー「Apache 0.6.2」リリース
- 東京インターネットがダイヤルアップIP接続サービスを開始
- 富士通のインターネット接続サービス「InfoWeb」が個人向けダイヤルアップIP接続サービスを開始
市場
- NIFTY-Serve会員100万人突破
5月
業界動向
- 米Microsoft、米ISPのUUNetテクノロジーに1,640万ドル出資、Windows 95に搭載されるMSNの足がかりに
- 米Sun Microsystems、「Java」をリリース
製品・サービス・技術
- ソニーがウェブサイトを開設
- Infoseek開設
- サイバースペースジャパンが検索サービス「CSJインデックス」を開始
6月
業界動向
- 米Netscape Communicationsが株式を公開
- 「100BASE-TX」規格発表
製品・サービス・技術
- 近多泰宏氏(豊橋技術科学大学)が日本のサーバー一覧「Yahho」を開設
- フューチャー・パイレーツがインターネットにも接続できるパソコン通信サービス「フランキー・オンライン」を開始
社会・事件
- 東京・渋谷に「エレクトロニックカフェ東京」、京都に「ネットサーフ」とインターネットカフェが登場
- 新党さきがけがウェブサイトを開設

インターネットカフェから映画館へ
1995年6月、渋谷道玄坂にオープンした日本初のインターネットカフェが「エレクトロニックカフェ・トウキョウ」。その後のインターネットカフェブームの火付け役となったが、翌年7月には閉店した。現在その場所は映画館になっている。
市場
- インターネットに接続するホスト数が820万台を突破【ISC調べ】
7月
業界動向
- 英Mondexが英スウィンドン市でデジタルマネーの実証実験を開始
製品・サービス・技術
- Amazon.comサービス開始
社会・事件
- 新進党と社会党がウェブサイトを開設
8月
製品・サービス・技術
- 朝日新聞社がウェブサイト「asahi.com」を開始、米CNNもウェブサイト「cnn.com」を開始
- 米Microsoft、「Windows 95」英語版を発売、「Internet Explorer 1.0」を発表
- NTT、「テレホーダイ」サービスを開始

9月
業界動向
- MSFNetが終了し、米国でインターネット接続が完全商用化
- 米Sun MicrosystemsがJava言語を開発
- IANA*の下部組織として1998年までIPアドレスの管理・割り当てを行っていたInterNICがドメイン名登録料を有料化
*IANAは、1998年までドメイン名やIPアドレス、プロトコル番号などインターネットのアドレス資源の標準化を行っていた団体。現在、IANAはICANにおける資源管理などを行う機能の名称として使われている。
製品・サービス・技術
- 米Xing Technology、「Streamworks」を発表。ブラウザーで動画のリアルタイム再生が可能に
- 米Progressive Networks、「Real Audio」を発表。ブラウザーで音声のリアルタイム再生が可能に
社会・事件
- 米Mark Twain銀行がデジタルマネー「ecash」を発行

10月
業界動向
- 米アーキテクト・ソフトウェアがExciteと社名を変更
製品・サービス・技術
- 日立国際ビジネス、検索サービス「Hole-in-One」を開始
11月
業界動向
- インターネット関連の標準化団体であるIETFのネットワーク・ワーキンググループがRFC1866としてHTML2.0の使用を発表。RFCはIETFが配布する技術資料の名称
製品・サービス・技術
- マイクロソフト、Windows95日本語版発売。個人のインターネット利用増加のきっかけに
- 米Microsoft、「Internet Explorer2.0」発表
- カシオが低価格のデジタルカメラ「QV-10」を発売
- 田村健人氏(早稲田大学大学院)、検索サービス「Searcher in Waseda」を募集した名称「千里眼」と変更
- ソニー、家庭用ゲーム機「プレイステーション」発売

社会・事件
- 坂本龍一氏が武道館で行ったコンサートをインターネットで中継


12月
業界動向
- 東急ケーブルテレビジョンとKDDが共同でCATV網を使ったインターネット接続実験を開始
- IPv6の仕様が決定
製品・サービス・技術
- 松下電器がインターネット接続サービス「hi-ho」を開始
- NTTが検索サービス「NTT DIRECTORY」を開始
- 米DECが検索サービス「AltaVista」を開始
社会・事件
- 「インターネット」が95年の流行語に選定
「ザ・インターネット」の勇気
1995年に公開された「ザ・インターネット」。当時「The」の発音は、「ザ」ではなく「ジ」が正しいはず、と言われたが、トム・クルーズ主演の「ザ・エージェント」(1996)など、これ以降、母音の前の「the」の邦訳は、「ザ」がデフォルトとなった。